Linus Torvaldsは2月2日(米国時間)、次期Linuxカーネル「Linux 6.14」の最初のリリース候補版となる「Linux 6.14-rc1」を公開した。
Linusによれば、Linux 6.14-rc1は「休暇のため、平均よりもはるかに小さなリリースとなった。それでも50万行の変更と1万件を超えるコミットがあったのだが」とコメントしており、通常のリリースよりも小さなサイズであったとしている。
Linuxカーネルも“Rustで実際のドライバを書く”段階に
Linux 6.14では多くのアップデートが予定されているが、とくに注目したいのがRustサポートの拡大だ。現時点の最新バージョンであるLinux 6.13でもRustサポートのレベルが大幅に上がっており、古参カーネルメンテナーであるGreg Kroah-Hartman(GKH)はこれを「Rustドライバにとっての転換点(tipping point)」と呼んでいたが、Linux 6.14ではさらに進んでいる。GKHはドライバアップデートのプルリクエストで「PCI、プラットフォーム、OF(Open Firmware)および一部のI/O機能のドライバコアのバインディングに関しては、やりたいことにもよるが“Rustで実際のドライバを書く”段階に入った」とコメントしており、今回のマージでRustでデバイスドライバを実装するために必要なカーネル内のRust抽象化が一段と進むことになる。
また、Linux 6.13で見送られたBcachefsファイルシステムの強化や、AMDの「XDNA」アーキテクチャにもとづいたAI処理専用の演算エンジン「AMD XDNA Ryzen AI NPU」のアクセラレータドライバ(AMDXDNA)の有効化なども含まれている。
開発が順調に進めば、Linux 6.14は3月23日、もしくは3月30日ごろに正式公開される見込みだ。