Webサイト構築のプロジェクトを円滑に進めるには、対象とするブラウザの種類や、HTMLのコーディング方法など、詳細なルールづくりが必要になる。仕様書はプロジェクトに関わる全員が共有するルールブックである。
Webサイト構築は「プロジェクト」として進められます。プロジェクト(Project)というのは、新しいことを考え、期間を設定して実用化するための研究や事業だと考えてよいでしょう。こう書くと「大きな仕事=プロジェクト」だとイメージしてしまう人が多いと思いますが、規模は関係ありません。小規模な案件であっても、個人が請け負った仕事であっても「プロジェクト」なのです。プロジェクトは、漫然と進められるものではありませんから、「管理」(マネジメント)していくことが必要となります。これは、フリーランサーが一人で請け負った仕事であっても、同様です。もちろん、大勢のスタッフが関わる大規模なプロジェクトと比較した場合、物事を進める手順は大きく異なりますが、マネジメントの必要性に違いはありません。
デザイナーが勉強のために作成した「趣味」のサイトと、請け負った「仕事」で作成したサイトでは、何が違うのでしょうか。後者には、発注者(クライアント)がいます。「〜について考えてほしい、提案してほしい、作成してほしい」といった依頼によって、プロジェクトが発生しますが、重要なのは発注者との「契約」があることです。たとえば、成果物を納品することで報酬を得る場合は「請負契約」になります。Web業界では、契約書を交わさず、メールなどで契約を成立させてしまうことが多いようですが、いい加減な請負はできません。信頼関係を損ねず、プロジェクトを全うすることができなければ、次の仕事には発展していかないでしょう。依頼者がいるわけですから、サイトを構築する狙いや目的を明確にしておくのは当然のことです。注意しなければいけないのは、依頼者自身が具体的に「何を依頼したいのか」明確になっていない場合があることです。このような場合、ミーティングが重要となります。