株式会社KDDIウェブコミュニケーションズは2012年4月10日、これまでベータ版として提供してきたクラウド電話API「boundio」を、本日13:00から正式提供することを発表した。
「エンジニア・デザイナーを超ラクにすること。それがKDDIウェブコミュニケーションズがめざすものです。これまであった、CPI(ホスティングサービス)、Jimdo(Web制作支援サービス)、CloudCore(クラウドサービス)に加えて、今回4つめのブランドとして「boundio」を提供し、皆さまのクリエイティブな業務をさらに支援します」と冒頭に述べた、同社代表取締役社長 山瀬明宏氏
さまざまな可能性が広がるクラウド電話API
今回正式に提供されるboundioは、通信機能をクラウド型のAPIとして提供しているもので、
という3つの機能を提供するAPIとなっている。
正式リリースに合わせて、boundioを利用したサービスの1つとして、株式会社手嶋屋のOpenPNEとの連携サービスが紹介された。同社代表取締役 手嶋守氏のデモでは、@の数により、@1つ:mention、@2つ:メール、@3つ:電話という、Twitter普及により浸透した@付き文化の体験を活かしたサンプルが紹介された
上記OpenPNEのデモによる呼びかけにより登場したKDDIウェブコミュニケーションズSMB事業本部事業本部長 高畑哲平氏。「boundioにより、開発者からのビジネス促進がさらに加速します」と、boundioは開発者にとって有益な技術であることを強調した
さらに、今回正式提供になったことにより、
などの追加機能が実装されている。これらはベータ期間中のフィードバックをもとに実装されており、たとえば電話転送はboundioによる通話通知が届いた際、出られなかったときの折り返し対応をスムーズにするものであったり、また、音声合成エンジンとして採用された「VOICETEXT」は、より耳障りの良い音声を提供することでAPIの価値を高めるものとなっている。
2つめの事例として紹介された、株式会社ソフトクリエイトの会員登録時の認証サービス。boundioを認証機能として捉え、同社のECへの会員登録時に、電話確認を行うような仕組みを実装した。昨今のメール認証などに加えて利便性が高いこと、また、電話という機能による心的効果(悪事に利用されづらい)といった狙いも含めているそうだ
3つめに登場したのは面白法人カヤックこえ部の鈴木啓央氏。こえ部で提供しているサービスに、boundioを利用した仕掛けを用意しているそうだ。たとえば、ソーシャルリスニング「メインストリーム」にて投稿したものに対してコメントがつくと、boundioのAPIを通じて声によるお知らせがフィードバックされる
今回、3種類のデモが実演されたが、それぞれ、社内コミュニケーション、BtoB(toC)コミュニケーション、エンタテインメントと、幅広い分野に応用されている。このように、「音」「通話」を軸に、エンジニア・デザイナーのアイデアを加えることでさまざまなシーンでの利用が可能になる。
発表会の最後に、世界最大規模のクラウド電話APIを提供する「twilio」との協業も発表された。前述の山瀬氏は冒頭の挨拶にて「twilioの普及と比べて日本のこの市場は5年遅れています。今回、boundioの提供により、少しでも早くtwilioに追いつき、追い越していきたいです」と、この市場の拡大、また、そのために、エンジニア・デザイナーをさらにサポートしていくことを力強く誓った
料金体系は以下のとおり。
基本料金 | 1,575円(月額使用料)
通話料 | 固定電話向け:15ポイント/1分 |
携帯電話向け:25ポイント/1分 |
オプション | 自動電話番号変更 | 525円(手数料として) |
転送設定 | 525円(変更・設定手数料) |
105円(月額使用料) |
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提供形態はライブラリをまとめたAPIとなっており、現在PHPによるサンプルが公開されている。また、コミュニティ手動によりJavaによる開発も進んでいるとのこと。今後、コミュニティを中心に、さまざまな言語での展開に期待しているとのことなので、興味のあるクリエイターはぜひboundio.jpから登録して、開発に携わってもらいたい。