知りたい!サイエンスシリーズ実はおもしろい化学反応
2012年9月22日紙版発売
2017年3月3日電子版発売
中西貴之 著
四六判/264ページ
定価1,738円(本体1,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-5301-8
ただいま弊社在庫はございません。
書籍の概要
この本の概要
化学反応は今までにない分子を作り出し,画期的な新製品や命を助ける医薬品を開発し,私たちの生活を豊かにしたり,命を救ってくれます。とても夢のある可能性を秘めています。では,なぜ原子同士がくっついたり切れたりするのでしょうか?,そんな素朴な疑問に答えながら,身の回りに起こる化学反応を解説していきます。たとえば,お酒の飲むと体の中の化学反応で分解されますが,実はそのお酒をつくるときも化学反応が起こっているのです。胃薬を飲んだ時にも化学反応が起こり,使いすてカイロにも化学反応が関与しているのです。周りをみると化学反応だらけなのに気づくでしょう。本書を読み進めるだけで,疑問が解けるだけでなく,化学反応のしくみがわかるようになります。最終章では,日本人がノーベル化学賞を受賞した「クロスカップリング反応」もやさしく解説し,世の中が化学反応によって支えられていることがわかります。
こんな方におすすめ
- 化学反応に興味ある人
目次
1章 なぜ物質(原子)は,くっついたりはなれたりするのか?
- 物質・分子・原子
- インクジェットプリンターと有機化学
- 化学反応を式で表す
- 原子同士の結合が切れたりくっついたりするのが化学反応
- 原子の結合と切断
- 不対電子を使わない化学結合
- イオン
2章 有機化合物
- 最も単純な有機化合物アルカン
- アルキル基とアルコール
- エーテル
- アルカンの名前の付け方(まとめ)
- シクロ
- 二重結合を含む分子
- アルケンの化学反応
- 触媒
- 三角形中間体
- イオン結合
- 金属結合
- 炭素・炭素三重結合
- 置換反応
- 脱離反応
3章 お酒を飲んで化学反応
- 肝臓は化学反応工場
- お酒の分解(酵素編)
- お酒の分解(化学反応編)
- お酒を造る反応
- 糖
- 人工甘味料を人工的に作ってみる
4章 ベンゼン環
- ベンゼン環とは
- 複素環化合物
- ベンゼンから発展する化合物
- ベンゼン環の関わる化学反応
- 食べ物の中のベンゼン環
- 毒の中のベンゼン環
5章 鏡に映った化合物の不思議
- 立体異性体
- キラルな分子は光をねじる
- 複数の不斉炭素を持っているとどうなる?
- 爽やかなメントールはノーベル賞技術で作られる
- 光学異性体は手で分別した
6章 身近な薬・農業・エネルギー問題で化学反応を理解する
- 常備薬の中のベンゼン環
- 胃薬の化学反応
- 化学の力で肥料を作る
- さらに効率よく窒素肥料を作りたい
- 太陽熱を使った化学反応
- 爆発的エネルギーを化学反応で分子に詰め込む
- 化学反応のいろいろ・吸熱反応と発熱反応
- 使い捨てカイロの化学反応
- 冷えるカイロの化学反応
7章 化学反応でこんな物を作ってみた
- 分子で作る試験管
- 分子積み木を作ってみたい
- 原子くらいの大きさのサッカーボールを化学反応で作る
- ベンゼン環を原子の厚さ1個分で敷き詰める
- ノーベル賞研究が別のノーベル賞研究を勝手にしてた
- 生命も化学反応で始まった?
- 毛髪カラーリングの化学
- 引っ張ると色が変わる化学反応
- 伝統工芸品に見る化学反応
- ぎょぎょライト
- ルミノール反応
最終章 ノーベル賞受賞の化学反応の理解に挑戦してみる
- パラジウム触媒クロスカップリング反応
- グリーン・ケミストリー
この本に関連する書籍
-
気になる化学の基礎知識――身近に化学はあふれている
私たちの身の回りを見渡せば,化学に関連した事象,用語が多く見受けられます。しかし,実際,新聞やテレビなどでも頻繁に見聞きされる化学用語,製品などに表記されて...
-
化学物質はなぜ嫌われるのか――「化学物質」のニュースを読み解く
新聞・テレビなどで報じられる「化学物質」関連のニュース。そのほとんどは悪いニュースだが,なぜかくも「化学物質」は嫌われるのか? そして,それらは一体どこまで...