自由時間サプリシリーズ東京水辺散歩
~水の都の地形と時の堆積をめぐる

[表紙]東京水辺散歩 ~水の都の地形と時の堆積をめぐる

紙版発売
電子版発売

A5判/240ページ

定価2,200円(本体2,000円+税10%)

ISBN 978-4-297-13095-4

電子版

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書籍の概要

この本の概要

「ブラタモリ」でもおなじみ!
陣内秀信先生,松田法子先生らが案内する魅惑のTOKYOガイド

東京は凸凹地形であると同時に,水都ととも表現されるように,水との関わりが深い都市です。

江戸時代には水路が江戸市街を縦横に走り,人々は舟を日常の交通手段や輸送手段として活用していました。多くの水路は高度成長期に埋め立てられてしまいましたが,その痕跡は今も街のいたるところに残っています。

また,意外と知られていませんが,東京には今もあちこちに湧水が存在しています。水の湧く場所は古くから人が活用してきた場所でもあり,古代より人の生活の場所でもありました。

本書では,東京の隠れた魅力である水辺に注目し,都心・下町のエリアはもちろん,巨大都市の西側に広がる山の手,さらにその外側の武蔵野台地,そして多摩地域にまで意識を拡大し,時空を超えて,東京に潜む「水の空間」のユニークな姿とその面白さを描き出そうと目論んでいます。表層的な部分だけでなく,その下に埋もれた地層や,湧水地のもつ本来の意義から都市の生態系を考察していく,アタマとカラダで楽しむお散歩ガイドブックです。

こんな方におすすめ

  • 東京の地形に興味がある人
  • 散歩・ウォーキングにひとあじ加えたい人
  • 「ブラタモリ」のファンなど,まち歩きが好きな人
著者プロフィール

陣内秀信(じんないひでのぶ)

法政大学 江戸東京研究センター 特任教授,中央区立郷土天文館 館長。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。ヴェネツィア建築大学留学,ユネスコのローマ・センターにて研修。専門はイタリア建築史・都市史。著書に『東京の空間人類学』(筑摩書房),『水と都市』(編著,岩波書店)『水都東京―地形と歴史から読みとく下町・山の手・郊外』(筑摩書房),等。受賞歴にサントリー学芸賞,ローマ大学名誉学士号他。

松田法子(まつだのりこ)

京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 准教授。博士(学術)。専門分野は建築史・都市史・領域史。水際の土地の居住に関する社会・文化・技術・景観の研究など,人と場所との豊かな関係と問題系について調査研究を行う。近年は「汀の人文史」をテーマに活動。著書に『絵はがきの別府』(左右社),共著に『危機と都市──Along the Water』(左右社),『変容する都市のゆくえ──複眼の都市論』(文遊社),『渋谷の秘密』(PARCO出版)等。

齋藤彰英(さいとうあきひで)

1983年静岡県生まれ。2009年東京藝術大学大学院修士課程修了。多摩美術大学情報デザイン学科,日本工学院八王子専門学校非常勤講師を兼任。地形と水の関係を題材に,写真を主とした作品制作と発表を行う。近年では多摩川などの流路をリサーチし,制作活動を行っている。主な個展に,「東京礫層 Tokyo Gravel」(東京,2021),「川底に住う魚」(島根,2019),「神の漁場」(東京,2016),「いつか」(静岡,2015)等。

企画者プロフィール

山本敦子(やまもとあつこ)

アートプロデューサー,コミュニケーションディレクター,エディター。芸術と社会の関係に着目し,公共空間におけるアートプロジェクトを各地で実施している。また,企業や自治体のブランディングや広報,PR等,コミュニケーション活動の企画・ディレクションを手掛ける。アートプロジェクト「オープン・ウォーター~水(*)開く」を水辺という公共空間で実施したことをきっかけに,東京の水辺空間をリサーチ。その多様性,奥深さに興味を抱き,本書を企画した。

オープン・ウォーター~水(*)開く
https://openwater-mizuhiraku.com/

本書のサンプル

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目次

第1章 都市と水辺
人がつくった都市の水辺(陣内秀信)

  • 01 隅田川
  • 02 日本橋川〜神田川
  • 03 内濠と外濠
  • 04 小名木川と深川
  • 05 東京湾

第2章 東京の湧水
湧水から探る東京(松田法子)

  • 01 王子~赤羽
  • 02 大井町~大森
  • 03 等々力渓谷〜多摩川台公園
  • 04 お鷹の道~野川
  • 05 落合~目白崖線

第3章 東京の水源
東京礫層 東京の地下に広がる太古の水辺(齋藤彰英)

  • 01 武蔵野三大湧水池
  • 02 羽村~狭山丘陵
  • 03 青梅~御岳山

第4章 東京の水辺の未来
水の郷・日野(編集部)

  • 01 豊田用水~黒川水路