知りたい!サイエンスシリーズ和算からベルヌーイ数へと続く数の世界
~ベル数・スターリング数でも和算家はスゴかった~

[表紙]和算からベルヌーイ数へと続く数の世界 ~ベル数・スターリング数でも和算家はスゴかった~

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四六判/264ページ

定価1,980円(本体1,800円+税10%)

ISBN 978-4-297-14085-4

電子版

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書籍の概要

この本の概要

関孝和がベルヌーイ数を発見していたことは特に有名ですが,和算家が大きく貢献した有名な数が他にもあります。関孝和の孫弟子にあたる松永良弼よしすけによるベル数や,坂正永まさのぶによるスターリング数などです。和算家たちはこれらの数を「場合の数」と捉えます。一方,スターリングなど西洋の数学者たちは「代数」と捉えていました。スターリング数は,ベルヌーイ数に関する重要なクラウゼン-フォンシュタウトの定理に欠かせない重要な数でもあります。和算と西洋数学によるそれらの数の捉え方の違いを通して,それらがどのようにしてベルヌーイ数へとつながっていくのか,わかりやすく解説します。題材として「源氏香図」を使います。これは単なるデザインではなく,数学的な意味をもつもので,源氏香52通りはベル数とも呼ばれています。

楽しみながら数学を学ぶことができる1冊です。

こんな方におすすめ

  • 和算と西洋数学のつながり,離散数学,組み合わせ数学に興味がある人
  • 和算家が関わった有名な数を知りたい人など

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目次

  • はじめに

1章 源氏香のミステリー

  • 日本発の研究とは…
  • 「源氏香図」52個に『源氏物語』54帖が…
  • 「源氏香」から和算家達が発見した式とは…
  • 「二項係数」を並べて「パスカルの三角形」を作ろう
  • 「源氏香図」52個を描き上げよう
  • 源氏香図のミステリー(1)
  • コラム①10種香は何通りか(1)

2章 和算家のスターリング数

  • 和算家達のさらなる発見とは…
  • 漸化式から「第2種スターリング数の三角形」を作ろう
  • 「n=4の香図」を描き上げよう
  • 源氏香図のミステリー(2)
  • 漸化式から「第1種スターリング数の三角形」を作ろう
  • 「置換」を「プレゼント交換」で見てみよう
  • 「置換」を「サイクルの個数」で見てみよう
  • nを増やして「置換」のサイクルを見ていこう
  • コラム②10種香は何通りか(2)

3章 スターリングのスターリング数

  • 「二項係数」の関係式を代数の側面から見てみよう
  • 二項係数の「一般項」を場合の数から求めよう
  • 「べき乗」を「下降階乗」で表そう
  • 「べき乗」を「上昇階乗」で表そう
  • 第2種スターリング数の三角形で「列」に着目しよう
  • 何を展開すると第2種スターリング数が現れるか
  • 第2種スターリング数の「一般項」はどうなるか
  • 場合の数の「包除原理」から一般項を求めよう
  • 「n!」を「二項係数」で表そう
  • 第1種スターリング数の三角形で「列」に着目しよう
  • 「第1種スターリング数の多項式」を因数分解しよう
  • 「上昇階乗」を「べき乗」で表そう
  • 「下降階乗」を「べき乗」で表そう
  • 「べき乗」→「下降(上昇)階乗」→「べき乗」
  • コラム③攪乱順列とモンモール数

4章 ベル数と無限級数

  • 無限和を,ベルヌーイ数を用いて表そう
  • 無限和を,ベル数を用いて表そう(1)
  • ベル数の「母関数」を求めよう
  • 無限和を,ベル数を用いて表そう(2)
  • exから始め,xをかけて微分していくと…
  • xをかけ,それを微分した式とたし算すると…
  • 無限級数から第2種スターリング数の「一般項」を…
  • 第2種スターリング数の「母関数」を求めよう
  • 第1種スターリング数の「母関数」を求めよう
  • コラム④ベルヌーイ数と「べき乗和の公式」

5章 スターリングにとっては同一種

  • 「パスカルの三角形」をさかのぼろう(1)
  • 「マイナス行」を「二項係数」で表そう
  • 「マイナス行」に現れた「重複組合せ」とは…
  • (1+x)-nの展開に着目しよう(1)
  • 「パスカルの三角形」をさかのぼろう(2)
  • (1+x)-nの展開に着目しよう(2)
  • 「第2種スターリング数の三角形」をさかのぼろう
  • 「マイナス行」に現れた「第1種スターリング数」
  • 「逆数のべき乗」を表そう(1)
  • 「逆数のべき乗」を表そう(2)
  • 「第1種スターリング数の三角形」をさかのぼろう
  • 「マイナス行」に現れた「第2種スターリング数」
  • 「逆数のべき乗」を用いて表そう
  • コラム⑤スターリング数の性質

6章 不思議な「クラウゼン−フォンシュタウトの定理」

  • 「上昇階乗」を用いる「積和の公式」とは…
  • 「べき乗和」を「スターリング数」で表そう
  • 「ベルヌーイ数」を「第2種スターリング数」で表そう
  • 「クラウゼン−フォンシュタウトの定理」を見ていこう
  • 「第2種スターリング数」を素数pで割った「余り」
  • 偶数番目のベルヌーイ数B2nの「分母」を見てみよう
  • 「整数-1/素数-1/素数-…-1/素数」の「整数」を求めよう
  • 「ベルヌーイ数」と「スターリング数」が絡んだ式
  • 索引
  • 参考文献
  • 著者プロフィール

著者プロフィール

小林吹代(こばやしふきよ)

1954年,福井県生まれ。1979年,名古屋大学大学院理学研究科博士課程(前期課程)修了。2014年,介護のため早期退職し,現在に至る。

著書に,『ピタゴラス数を生み出す行列のはなし』(ベレ出版)『ガロア理論「超」入門~方程式と図形の関係から考える~』『マルコフ方程式~方程式から読み解く美しい数学~』『ガロアの数学「体」入門~魔円陣とオイラー方陣を例に~』『正多面体は本当に5種類か~やわらかい幾何はすべてここからはじまる~』『オイラーから始まる素数の不思議な見つけ方~分割数や3角数・4角数などから考える~』『ゼータへの最初の一歩 ベルヌーイ数~「べき乗和」と素数で割った「余り」の驚くべき関係~』(以上,技術評論社)『分数からはじめる素数と暗号理論~RSA暗号への誘い~』(現代数学社)などがある。

【URL】http://fukiyo.g1.xrea.com
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