上手な教え方の教科書、実践編

[表紙]上手な教え方の教科書、実践編

紙版発売

A5判/192ページ

定価2,420円(本体2,200円+税10%)

ISBN 978-4-297-14694-8

電子版

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書籍の概要

この本の概要

学校はもちろん,企業研修,ワークショップ,カルチャーセンター,地域のサークル,親子などすべての「教えることに無縁ではないすべての人たち」のための実践書が登場!

本書は「教えること」を教える先生が書いた,具体的な事例で説く,教え方の集大成の書です。

同著者による前著『上手な教え方の教科書 ―― 入門インストラクショナルデザイン』は,おかげさまで息長く読まれつづけています。そして続刊であるこの『上手な教え方の教科書,実践編』は,その名の通り実践編としてお届けするものです。特徴は「すべて実際にやってみた」という点にあります。なお本書を単独でお読みになっても十分実践できますので,その点はご安心ください。

教えるという行為は,その内容,目的,参加者,時間,場所などによって複雑に影響を受けます。同じ教え方をしているのにもかかわらず,あるケースでうまくいっても,別のケースでうまくいかないことがあります。そのため,ケースに合わせて柔軟に教え方を変えていかなければなりません。

とはいえ,上手な教え方の原則は頑健です。この本では,どんなケースでも柔軟に適用できるような上手な教え方の原則を,具体的な事例に沿って紹介していきます。

こんな方におすすめ

「教えること」に関わるすべての人。例えば,

  • 学校関係者(教員,学生など)
  • 企業研修担当者
  • ワークショップ講師
  • カルチャーセンター講師
  • 地域サークル活動に関わる人
  • 子育て中の親 など

本書のサンプル

本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。

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目次

  • はじめに ―― 誰もが教える技術を必要としている

第1章 教える技術を身につける

  • 1.1 教える技術とは何か
  • 1.2 教える技術は誰に必要か
  • 1.3 教える技術を身につけると何が起こるか
  • 【コラム1】子どもに挙手をさせなくても良い授業は作れる

第2章 教えるときに大切なこと

  • 2.1 どういうときに人は学ぶか
  • 2.2 「できそうだ」を促す教え方
  • 2.3 「つながっている」を促す教え方
  • 2.4 「決められる」を促す教え方

第3章 講座を設計する

  • 3.1 講座を設計するとはどういうことか
  • 3.2 レッスンとゲームで構成する
  • 3.3 3つのステージで考える

第4章 セッションを組み立てる

  • 4.1 パイクの「90/20/8の原則」
  • 4.2 マイクロフォーマットを使う
  • 4.3 オンライン講座もマイクロフォーマットで設計する
  • 4.4 マイクロフォーマットによる講座の実例
  • 【コラム2】私語は指定席システムで解決できる

第5章 [実習1]講座のテーマと概要を決める

  • 5.1 ニーズを見つける
  • 5.2 ゴールを設定する
  • 5.3 講座の枠組を決める

第6章 レクチャーをする

  • 6.1 参加者の前で話す技術
  • 6.2 聞いてもらえる話し方
  • 6.3 スライドからマップへ

第7章 グループワークを実施する

  • 7.1 いつでも使えるグループワークの方法
  • 7.2 単発の講座ではミニワークを使う
  • 7.3 グループ同士で発表する
  • 7.4 グループワークの評価をどうするか

第8章 テストと評価の方法

  • 8.1 テストは学習にどう影響しているか
  • 8.2 講座とテストを一体化する
  • 8.3 相互評価の方法
  • 【コラム3】質問カードを使えば質問しやすくなる

第9章 [実習2]講座の1セッションを設計する

  • 9.1 コースを設計する
  • 9.2 セッションを設計する
  • 9.3 「できる・つながる・決められる」をチェックする
  • 【コラム4】「よく考えられた練習」がポイント

第10章 参加者とコミュニケーションする

  • 10.1 「大福帳」を使う
  • 10.2 「大福帳」の実際
  • 10.3 「大福帳」のオンライン化
  • 【コラム5】上手な教わり方をする人は上達が速い

第11章 評価アンケートを実施する

  • 11.1 評価アンケートをする意味
  • 11.2 評価アンケートを作る
  • 11.3 評価アンケートを実施する

第12章 オンライン化する

  • 12.1 対面講座の拡張としてのオンライン講座
  • 12.2 オンライン講座のメリット
  • 12.2 規模の大きさによるオンライン講座の実際
  • 【コラム6】オンデマンド講座では月1回のオンラインミーティングをする

第13章 [実習3]評価アンケートを実施し,分析しよう

  • 13.1 アンケートの目的と内容を決める
  • 13.2 アンケートを実施する
  • 13.3 アンケートデータを分析する

第14章 まとめと次の一歩

  • 14.1 教えるときに大切なこと(再び)
  • 14.2 教える「型」と創造性
  • 14.3 教えることは一生続く学びの一部
  • おわりに ―― 教えることの科学的側面とアート的側面

著者プロフィール

向後千春(こうごちはる)

1958年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。博士(教育学)(東京学芸大学)。専門は教育工学,教育心理学,アドラー心理学。

著書に,『上手な教え方の教科書――入門インストラクショナルデザイン』,『統計学がわかる』,『統計学がわかる【回帰分析・因子分析編】』(技術評論社),『18歳からの「大人の学び」基礎講座』(北大路書房),『人生の迷いが消える アドラー心理学のススメ』,『アドラー“実践"講義』(技術評論社),『幸せな劣等感』(小学館),『コミックでわかるアドラー心理学』(中経出版)など。